こんにちは。山内涼子です。
今日は「お子さまの失敗、阻止してませんか?」というお話です。
親であれば、誰しも思うことは「成功してほしい」「上手にできてほしい」などと、少なからず思うものです。しかし、その感情こそが、お子さまの未来を奪っているのです。
たとえば、生まれてすぐの赤ちゃんは、おっぱいを上手に飲めません。でも、失敗を重ねながら、試行錯誤しながらだんだん上手に飲めるようになりますよね。これは、大きくなってからも同じです。日本のことわざに「失敗は成功のもと」とあるように、失敗することによって子どもたちは成長していきます。
ここまで読んで、「それくらい分かってるよ」と思った、そこのあなた。
実はみなさん、気づかないうちにお子さまの「失敗」する機会を奪っているんです。今日は、ご自身の行動の振り返りもかねて読んでいただけたらと思います。
目次
「失敗」できない子は自己肯定感が低い?!
例えば、みなさんのお子さまは、お友だちが集中してパズルに取り組んでいるときに、どのような行動を取っているかご存知ですか?パズルでなくても、なんでも構いません。お友だちが集中してチャレンジしている時に、どんな行動をするでしょうか?
- 無関心
- じーっと見つめる
- 手伝ってあげる
いかがですか?
じつはこの中に1つ、自己肯定感がとても低い危険な行動があるんです。
「手伝ってあげる」です。
えっ?なんで?手伝ってあげるやさしい子じゃん。
そう思いますよね。全く違うんです。むしろその逆、これは自己肯定感の低さからくる行動だったのです。子どもたちの世界では、よく見る光景でもあります。私も子どもたちを指導していた時、幼児クラスではよく見かけました。
でもこれは、決して親切心とかではなく、その子自身の自信のなさから出てくる行動だったんです!!
驚きですよね。
こうゆうお子さまは、総じて難しい技にチャレンジしようとしませんでした。なぜなら、プライドが高いために、はじめから挑戦することをやめてしまうんですよね。で、自分は達成感を得ることができないから、お友だちに口出しをして、お手伝いしたという達成感を味わうのです。
では、どうしてそのような子どもになってしまうのでしょうか?
親が「失敗」の機会を奪っている
当たり前の話ですが、人間だれしも生きていれば失敗はつきものです。しかし、子どもという立場は親に守られているため、どうしても失敗する機会を失いがちです。たとえば、お子さまがお茶碗を割らないように、プラスティックのお皿が出回っていますよね。また、最近ではお茶をこぼさないために、置いたらひっくり返らないというなんともすごいコップまで販売されています。

もちろん、とても便利な商品だと思いますし、そのアイデアには拍手を送りたいと思いますが、でもその一方で、お子さまの「失敗」する機会を奪っていることに気づいてほしいのです。
たとえ1歳のお子さまでも、「食器を落としてしまったら割れる」ということは理解できます。確かに、手足の筋力が未熟なため分かっていても手をブンブン振り回すので食器をおとしてしまうこともあるかもしれませんが、でもそれも経験です。今の時代は100円でお茶碗が買えます。割れてしまったら買いかえればいいのではないでしょうか?
「いや、でも忙しいし。」そんな声が聞こえてきそうですが、だからと言って、お子さまの貴重な機会を奪ってもいいのでしょうか?家ではプラスティックのお皿かもしれませんが、外食に行くと違いますよね。どうしても忙しい日はしょうがないかもしれませんが、時間があるときはぜひお子さまに「失敗」する機会を与えてあげてください。
失敗後のフォローが大事!
では、失敗する機会は与えたとして、そのあとがとても重要!ポイントは3ステップです。
- 事実を伝える
- やり方を伝える
- 見守る
《お茶をこぼしてしまった》を例にお話しましょう。
1.事実を伝える
まずは、「お茶こぼれちゃったね」と事実を淡々と言いましょう。(決して「あーーーーー!!!」と大声で叫ばないように(笑)反射的に言ってしまいそうになりますが、そこは深呼吸して抑えましょう。)
現実に起きたことを、言語化して伝えてあげることによってお子さまがしっかりと理解することができるようになります。
間違っても「○○ちゃんがこぼしたね」など、お子さまに罪悪感を与えるような言い方はしないように気を付けてください。
2.やり方を伝える
失敗をしてしまったら、その改善方法を知る必要があります。
このお茶の場合であれば、【タオルを持ってくる→拭く→洗濯する】という一連の流れがありますよね。
初めての場合は、タオルを2枚用意し、まずは親が見本を見せ、それからお子さまと一緒に拭きましょう。最後の、拭いたタオルを片付けるまで一連の流れを一緒に行います。
2回目の以降は、お子さま主体で出来るようサポートしてあげてください。
恐らく、拭き残しがあったり、余計に汚れが広がるでしょう。でも、その積み重ねでお子さまは「拭き方」を覚えていきます。
3.見守る
そして最も重要なのが、この《見守る》です。
これまでの過程で、恐らく幾度となく声をかけたくなると思います。でも、そこは我慢です…!!静かに口を閉じて見守りましょう。
人間誰しも欲求として、『自分でやり遂げたい』という思いをもっています。それなのに、誰かに口出しされて、横やりを入れられたら、やる気なくなりますよね。少なからず『自分でやりたかったのに…』って思いますよね。
子どもたちも同じです。『自分でやりたい!』のに、お母さんが手を出してくる。そうなると子どもたちの脳内では『ぼくは出来ないんだ』と変換されてしまいます。
そうすると、簡単に自己肯定感の低い子ができあがってしまうのです。
親切心とは何か
なんでもかんでも、手伝ってあげること。これは親切心ではありません。いわゆる、〈余計なおせっかい〉です。
相手のことを本当に思うなら、まずは見守り、本人が必要としている手助けをするべきではないでしょうか?
そして、親が見本となることで、お子さまも他人に口出しすることも無くなるでしょう。
まずは、静かに観察しよう!
口を出す前に、お子さまが何を考え、やろうとしているのかよーく観察してみてください。きっとおもしろい発見があることでしょう。
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